レースのブライダルグローブを短くする縫製方法
スカラップレースが繊細な総レースのロンググローブのお直しをしました。海外のサイトから購入されたグローブだそうですが、お直し屋さんに行っても何軒も断られたそうです。結局使用されるぎりぎり前にVivat Veritasにご相談に来られたお客様。レースの縫製はサテンやシフォンのような他の生地のようにミシンで直線縫いしてしまうと、レースの模様に線が入ってしまい、綺麗に仕上がりません。ぱっきり「お直ししましたー!」的なまっすぐラインが入ってしまうだけではなく、ミシン縫いするとツレが出たりする可能性もあります。レース生地のお直しはちょっとコツがあって、一度覚えればレース生地の縫製は怖くなくなるので、こちらでシェアしたいと思います。
1. 短くする部分をカラー糸でマーキングする
こちらのグローブは、口部分のスカラップを生かしながら長さを短くしたかったので、中間を切って短くする以外方法がありませんでした。ですので、つなぎ目になる部分がちょうど肘にあたるように(着用時に屈伸により少しシワがよって、つなぎ目が目立たない場所なので)グローブ口から16センチのところを緑の糸でマーキングしました(印A)。他の生地でしたらチャコペンや時間が経つと消えるペンで印付けすることも出来ますが、こちらは白のレースですので、糸にて印付け。チャコペンなどだと、白の生地に使用するとまさかの「落ちない!」というアクシデントが怖いので、ウェディング用の場合は避けています。緑色を使った理由は、目立って見やすい色だからという理由で、見やすければ赤でも青でもなんでも良いです。糸はレジロンのようなツルツルした糸は避けた方が◎。私はポリエステルのジャックスパン60番で印付けしましたが、2本どりの刺繍糸を使っても良いです。
全体的に9センチほど短くしたかったので、最初に付けた袖口から16センチの線からさらに9センチのところに並行になるように直線を糸で印付けします(印B)。これで印付けは完了です。
2. 印Aからグローブ口側にはみ出ないように、レースのモチーフに沿ってカット
直線に切るのではなく、モチーフを活かして切っていくのがポイント。裁ちバサミだと小回りが利かずに切りづらいかもしれないので、糸切りバサミやアップリケ用のハサミを使うと良いかもしれません。
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3. カット完了
グローブ口部分(①)をフィンガー部分(②)の上に重ね、印Aと印Bがぴったりくるように合わせます。合わせたらまずはピンで留めます。慣れていない人はここでしつけ糸で2枚をしつけします。私は今回はしつけは省略しちゃいました。
4. グローブ口部分(①)のモチーフの裾を、細かく縫う
2ミリぐらいの感覚で、細かく。グローブを引っ張って着用する際にあれっと穴が開かないようにしっかり手縫いで縫います。あまり力を入れて糸を引っ張らないのもコツ。多少緩めの方が綺麗に仕上がります。4枚重ねて縫わないように、グローブ口から手を入れてレースが2枚になっていることを確認しながら縫います。ぐるっと一周したら玉を作って留め、もう一度針を布にくぐらせて玉を隠します。そして糸をカット。
5. 縫い終わったレースグローブをひっくり返し、中表にする
ここまで来たらもう一息! フィンガー部分(②)の縫い代がぴらぴらと残っていると思います。これを手縫いしたラインから2ミリ程あけたところでカット。
カットし終わり、表に返します。お直しの線がほとんど目立たないと思います!
いかがでしたでしょうか?手作りウェディングドレス教室では、この様な生地に合わせた縫い方も丁寧にお教えします♫詳しくはこちらから。
嬉しいお言葉いただきました♪
“グローブ確認致しました。とてもキレイにお直しして頂きありがとうございました。確かによ〜く見ると繋ぎ目がわかりますが、ほとんど気になりません。まして、お直しを知らないゲストが遠目で見た場合、全く気付かないと思います。
迅速かつ完璧に仕上げて頂き、大変感謝しております。
一度は返品も検討していたので、使用出来るのがとても嬉しいです。
本当にありがとうございました。”
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